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【メイキング】うちの看板娘・パンドラ姉さんのイラストを描いてみた

看板娘イラストメイキング ラフから仕上げまで制作の全工程を丸裸に
こんにちはです。あっちのそららです。

今回の記事は、先日のパンドラ姉さんイラストのメイキングとなります。
ボリューミーな内容ですが、イラストが好きな方や、イラストの制作過程に興味のある方の参考になれば幸いです。

まだイラストを見ていない方はこちらから

acchinosorara.hatenablog.jp

うちの看板娘の一人・パンドラ姉さんは、その色っぽい容姿から、デフォルメ調を好んで描く自分にとっては、毎回苦戦するキャラクターでもあります。でも描きたい。

完成まで5か月というありえない期間を要した、そんな挑戦の全容をご覧ください。

 

ラフスケッチ → 線画

イラスト制作のスタートは、頭の中のフワフワしたイメージ像を明確にするところから。
想像とキャンバスのピントを合わせるように、ざっくりとラフスケッチを描きながら、デザインを固めます。アイデアはとにかく描いてみるのが一番!

雑な線の下描きからきれいな線画を起こした段階
ラフスケッチが形になってきたら、上からキレイな線で清書します。
この工程は、宝石を磨く作業に近く、描いては消し、描いては消しを重ねながら、雑な線やゆがみを徐々に整えていきます。

線画に強弱をつけた段階
描き終わった線画に加筆し、太さに強弱をつけることで、髪・肌・服などの各パーツに立体感を持たせました。
生命力を感じさせるような、しなやかで力強い線を意識しています。

下塗り

色のベースとなる下地を塗っていきます。
パーツごとにレイヤーを分けると、後の描き込みや調整が楽になります。

下塗りした段階 グレースケールとの比較で明暗差を確認
下塗りの段階で、ある程度のコントラストが表れるように、モノクロにして明暗差をチェック。イラストがのっぺりとした印象になってしまうのを防ぎます。

グラデーションの影を入れた段階
下地の上から、やわらかいエアブラシでグラデーションの影を入れます。
この影の作用により、後々の着色で多用する「乗算」などの、合成モードの情報量が増します。

髪を塗る

髪の塗りメイキング
髪を描くときは「どこから生えていて、どんなルートを通って、どこで終わるか」を決めて、それぞれのポイントを線で結ぶように描くと、自然な流れの髪になります。

肌を塗る

肌の塗りメイキング
今回でいえば、肌はイラストの大部分を占めるメイン要素です。
面積が広いぶん、細部まで描き込みたい欲求もありますが、塗りすぎると汚く見えてしまうデリケートな部分なので、スマートな女性の肌らしくするため、情報量は必要最低限に抑えました。

健康的な肌、自然な肌のテイストは、キャラクターによっても変わってきます。

服を塗る

肌着・短パン・靴などのサブパーツを塗っていきます。
パーツごとの描き込み具合にバラつきが出ないよう、こまめにイラストの全体像を確認するのを忘れずに。

肌着を塗る

肌着の塗りメイキング
黒い服は、体を引き締める(ように見せる)効果がありますが、同時に重量のある色なので、胸が重そうに見えるというか、ボリューム感が増した気がします。

見るとこ違うだろテメー

 

短パンを塗る

短パンの塗りメイキング
どことなくカボチャパンツを匂わせる、ブカブカの短パン。パンドラ姉さんはスカートがキライなのです。
シワの塗りごたえがありますが、足との明暗差が開きすぎるとバランスが悪く見えるので、不透明度を下げながら、ちょうどよい影の濃さを模索します。

靴&ヘアゴムを塗る

靴の塗りメイキング
クロックス的な靴は、エナメル調のツルツルした質感に。
下塗りの時点で、明暗を三段階に分けているので、影を加えることでパキッとしたコントラストが表れてきます。

ヘアゴムの塗りメイキング
ヘアゴムも、靴と同じ手法で塗ります。シンプルな形のパーツはシンプルな描画で。

ベルトを塗る

ベルトの塗りメイキング
目立たなくてもよいパーツは、描き込みすぎないよう注意しながら、割と簡略化した描画にしています。
金属は、ほかの部分と比べて、明るいところと暗いところの境界線をはっきりさせることで、特有の光沢感が表現できます。

小さくても、それっぽく見えるようにこだわりを。

目を塗る

楽しみにとっておいた目の出番です。

パンドラ姉さんの目イキング
「加算発光」や「オーバーレイ」などの合成モードを使い分け、キャラクター性のある魅力的な目に仕上げます。通常のレイヤーやブラシだと手間のかかる表現を、手軽に形にできます。

頭身の高いイラストなので、全体像を見たときに細部の認識は難しいですが、バストアップや顔アップのバージョンで活きてくるので、手は抜きません。

あとは、まゆ毛や肌着の留め具などの、ごく小さなパーツを簡単に塗って、全体の着色作業は完了です。

グロー効果をかける

いよいよ最終工程です。
仕上げに、「グロー効果」と呼ばれるエフェクトを加えます。

グロー効果の解説
この一手間で、イラストがふわっと発光しているような描画になり、キャラクターの印象が大きく変わります。ただし、グロー効果が強すぎると、あざとい色合いになってキャラクターがエフェクトに負けてしまうので、微調整必須です。

※グロー効果は特性上、ベタ塗りなどのフラットな描画のイラストでは、うまく機能しない場合があります。

 

完成!

パンドラ姉さんのイラスト
最後に、全体の色調補正を行い、完成です!
難易度が高いイラストでしたが、普通に描き慣れるレベルまで数をこなして、パンドラ姉さんというキャラクターを成長させていきたい。

このイラストは、今後いろいろな形で派生させていく予定です(すでに当ブログのフキダシデザインに活用しています)。

おわりに

今回紹介したイラスト制作の手法で、試してみたい!と感じるものがあれば、自身の作品に取り入れてみてください。技術や表現の方向性を広げて、オリジナリティのあるステキなイラストを描いていきましょう。

さて、次はどんなキャラクターを描こうかな。

おつかれさん!

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